【情報・準備編】アルメニア・ジョージア周遊①

みなさんこんにちは。

先日卒業旅行も兼ねてソロでアルメニアジョージアへ行ってきました。

 

ツアー等は利用せずに観光しました。その点で必要な準備や情報について、自分が気付くことが出来た範囲で書き残そうと思います。端的に言うと、大変美しく面白いですが、情勢含め困難な点もあるため強くオススメはしないでおく、というところです。ただ、とても楽しかったのは事実です。

 

世の中自分よりも参考になりそうな記事を書いている人は大勢いると思うので、あくまで一個人の体験談として見ていただければ幸いです。

 

 

1 何があるのか

おそらくこの記事を読む人の9割ぐらいが、「で、何があるの?」と思われると思います。下手したら国名すら知らない。前に旅行のことを話題に出した時、「アフリカ?」と言われてしまいました。そんなあ・・・。

 

それはちょっともったいないので、簡単に自分が見たものを紹介していきます。

 

1.1 教会

アルメニアジョージア共に正教会が主に信仰されており、新旧含め美しい教会を街中で見ることができます。アルメニアジョージアでは建築様式も異なり、広く信仰されるまでに至った経緯も異なるため、見どころ満載です。装飾や内装まで含めて楽しみましょう。

 

中に入る時にはドレスコードがあるため要注意(半袖禁止、脱帽等)。場所によっては看板で明確に行動に制限がかけられています。

 

聖ガヤネ大聖堂(アルメニアエチミアジン)

洞窟の教会から眺めるムツヘタ(ジョージア、ムツヘタ)

聖ジョージのアルメニア正教会(ジョージアトビリシ)

1.2 大自然

これらの国に行く上で訪れるべきなのが、大自然。日本では中々味わえない雄大な景色を楽しみましょう。巨大な山々!!!!!!!!無限の大地!!!!!!!!!

スピタク近郊の山々(アルメニア)

アルメニアの真珠、セヴァン湖(アルメニア)

イェレヴァン近郊の平原(アルメニア)

コーカサス山脈の代表格であるカズベギ山(ジョージア)

ジョージア側より展望。山自体はジョージアとロシアの国境に位置します。

ゲルゲティ三位一体教会(ジョージア、上の写真の後ろ側に位置)

 

1.3 料理

「海外旅行って食べ物とか合わなそうで不安。途中でマックとか寄りたくなっちゃうかも・・・」

 

ご安心ください。少なくとも自分は一度もそう思いませんでした。酒も料理もうますぎていくらでも食ってられます。クセも少なめで食べやすいです。

 

アルメニア名物シャウルマ(とうまいレモネード)。

ファストフードで量も多いので、観光先での昼食にはもってこいです。食べた店の店員さん大体良い人でした。

スタローヴァヤライクの店でアルメニア料理等をドカ食い。

とりあえず、右奥にあるラヴァシュっていう薄い塩味のパンで包んだら大体のものは美味しく食えます(マジで)。

何故かアルメニアで食べたジョージア料理のヒンカリ。
肉汁があなたを飲み干す!

帰国してから一番食べたい料理で自作を目論んでます。

ジョージア料理のオジャフリ。

日本に二郎あらばジョージアにシュクメルリあり!

某牛丼チェーンのおかげで一躍有名になった料理です。パンと一緒に召し上がれ。本場は芋もチーズもなく、無慈悲にも大量の油・ニンニク・肉がパーティサイズで襲い掛かることが多いので注意。自分は完食することで対処しました。

ホテルで飲んだ2.35Lのビール(低画質)

どちらの国もお酒は結構安く美味しく飲みまくれます。特にワインが有名ですが、ビールも日本で飲めない美味い銘柄が沢山あるので開拓を推奨。ロシアのバルチカ飲んでも良し。蒸留酒に関してはアルメニアではコニャックが、ジョージアではチャチャが有名。ウォッカも当然売ってます。

1.4 旧ソ連の遺産やこの国の近代・現代史に関する物

自分がこの国に行ったのは、結局これを見行くためです。興味のない人にはあまり刺さらないかもしれませんが、日本ではとても見れない前衛的な建造物を楽しんだり、その背後に隠れた歴史を感じることができます。

 

特に旧ソヴィエトの時代は国家の近代史としては避けて通れないため、観光地の解像度を上げるという点でもオススメです。

 

カレン・デミルチャン・コンプレクス(アルメニア、イェレヴァン)

イェレヴァンのアルメニアの母

イェレヴァンのアルメニアの母内部に展示されたナゴルノ・カラバフ紛争の捕縛品等の展示(アルメニア)

勝利公園に展示されていたミサイル(アルメニア)

ギュムリの鉄の噴水(アルメニア)

東日本大震災の慰霊碑(アルメニア)

1988年に甚大な被害をもたらしたスピタク地震震源地近郊の街スピタクにある、2011年の東日本大震災の犠牲者を追悼するためのハチュカル(アルメニア式の石碑)です。3.11が近かったのか沢山献花されていて感慨深いものがありました。自分も中心街の花屋でお花を買ってお供えしました。

ジョージアトビリシにも謎建築は沢山残っている

スターリン博物館(ジョージア)

旧ソヴィエト時代のマンション(ジョージア)

こういう無機質で古臭い建物が立ち並ぶ景色を楽しめるかどうかはあなた次第ですが、自分は好きです。よく見ると窓や装飾がちょっとオシャレだったりして遊び心を感じることも。

2 国家の基礎情報

2.1 面積・人口

アルメニアジョージアコーカサスと呼ばれる地域に存在する、旧ソヴィエト連邦から独立した国家です。面積・人口共に日本と比較してもかなり小さく、外務省のデータによれば次の通りです。

 

アルメニア

面積:2万9800平方キロメートル(日本の約1/13)

人口:280万人(日本の約1/45)

 

ジョージア

面積:6万9700平方キロメートル(日本の約1/5)

人口:370万人(日本の約1/33)

 

このように比較的狭い地域にぽつぽつと要所や観光名所が存在するため、国内の観光は鉄道とバスで事足りてしまいます。

これら二国は旧ソ連から独立して30年以上経過していますが、共通するシステムがいくつかあるため、一国に行けばもう一国(ないしはっきり言えませんが他の旧ソ連諸国)の観光も楽になるんではないでしょうか。

 

2.2 言語

公用語アルメニアアルメニア語、ジョージアジョージア語となります。

この二か国の公用語に共通する特徴的な点としては、独自の文字を利用しているということです。

 

アルメニア語はアルメニア文字

 

ジョージアジョージア文字(H&Mのロゴ)

 

いずれもラテン文字キリル文字とはほとんど関連性の無い形状・並び順をしており、さらに馴染みの無い発音に対応する文字も存在するため覚えるのがちょっと大変ですが、勉強しておくと現地で楽です。主にお食事処や公共交通機関で役立ちます。自分は旅行前に全部覚えきれなかったんですが、滞在してるうちにだんだん読めるようになっていきました。

 

また、旧ソヴィエトからの独立から30年以上経過したとはいえいまだロシア語の影響力が強く、街中で見かけるだけでなく会話も聞こえてきます。観光する上である程度は覚えておくと心強いかも?可能であれば、上記の文字に加えてキリル文字も読めた方が尚良し。(無くてもなんとかなりますが)

 

ショガカト教会の入り口の案内板。アルメニア語、ロシア語、英語が書かれている

 

英語に関しては首都近郊であれば通じる方が多い印象。政治的な情勢や観光地としての注目度が影響しているのか、現地公用語+ロシア語+英語のトリリンガルのメニューを置いていたり、英語オンリーのメニューを裏に用意しているレストランも多かったです。

 

2.3 お金

通貨はアルメニアはドラム、ジョージアはラリ。レートはそれぞれ1ドラム=0.39円、1ラリ=0.018円(2024年4月時点)。物価に関しては円安の影響であまり大きな恩恵は受けられませんでしたが、それでも安い方かと。

 

今回は海外向けのプリペイドカードからATMでキャッシングして現金を用意しました。

ただし、ジョージアは博物館がキャッシュレス限定だったりするので注意。

 

2.4 国内の移動手段

移動手段は基本的に以下の6つ。主要都市近郊に空港もないことはないですが、おそらく基本陸路で事足ります。順に紹介しましょう。

 

・地下鉄(メトロ)

アルメニアにはイェレヴァンメトロ、ジョージアにはトビリシメトロがそれぞれ利用可能です。高頻度の運転で、価格も安いため大変便利。

 

それぞれ利用方法が少し異なります。イェレヴァンメトロは窓口で100ドラムでメトロコインを購入、トビリシメトロはプリペイド式のメトロカードにお金を入れて利用するタイプです。トビリシメトロに関してはちょっと特殊で、次のような特徴があります。

 

①市内バスと併用が可能

②最初に乗車したタイミングから90分間乗り放題。一回1ラリ

③窓口で購入した後、メトロカードへは駅をはじめとして市内にある端末からチャージ可能

 

最初は少し不安ですが慣れてしまえば大変便利です。あっちこっち行きまくりましょう。

 

ただしやはり海外の地下鉄なので車内ではある程度周囲に気を配っておくと良いでしょう。特にトビリシメトロは利用者も多く物乞いにも話しかけられましたし、窃盗団による被害も報告されているので注意が必要。もちろんイェレヴァンでも同様の注意を。

 

それでは、旧ソヴィエトの地下鉄あるあると言われる美麗なホームと超高速のエスカレーターによる初見〇し、爆音の騒音を楽しみながら、市中観光に勤しみましょう。

 

イェレヴァン地下鉄のバレカムテュン(=友好)駅
テーマパークに来たみたいだぜ!

 

・鉄道

アルメニアにはロシア鉄道が出資する南コーカサス鉄道が、ジョージアにはジョージア国鉄が通っており、観光に利用可能です。スーツケースを持ち歩く人にも便利ですし、旅情を感じられるので、是非使ってみましょう!特にソ連製の古い牽引車両が来た時はかなり良い雰囲気です。

 

ただし、基本的にダイヤが非常に少なく(日本で言う田舎の超スカスカのダイヤ)、なんとなく思い立って乗れるものではないことに注意。特に冬期は運行数が減るみたいです。

 

おおよその乗り方としては、「発車時刻より前に窓口でチケットを購入(パスポート必須)→改札などはないのでホームか待合室で待機→鉄道が来たら車掌さんにチケットを見せて乗車→目的地に着いたら適宜降車」という形です。

 

自分は今回合計四度乗車しました。それぞれ軽く解説。

①イェレヴァン→ギュムリ(南コーカサス鉄道)

イェレヴァン鉄道駅の窓口にて発車20~30分前ほどにチケットを購入。

二両編成の特急に乗車しました。定刻通りに到着し、特に問題もありませんでした。

車内では意外にも外に見える景色についてのアナウンス(アルメニア語・ロシア語・英語)もあり、トルコとの国境も見えました。

 

イェレヴァン鉄道駅。ソ連らしい左右対称のデザインが大変美しい

 

②ギュムリ→トビリシ(南コーカサス鉄道、国際列車)

乗車する駅でしかチケットは購入不可能であると言われたため、ギュムリ駅のカウンターで購入、真っ暗の0時過ぎに乗車。ちなみにインターネットでの購入・決済も一応可能。ただしマスターカードオンリーだったりパスワード忘れると復活不能になったり色々不便、しかも割高です。ダイヤ調べる時に使うぐらいで良いと思います。

リンク:ЗАО «ЮКЖД»

 

なお、ギュムリ発は日付に注意。例えば19日発と書いてあってもイェレヴァンからは18時に出発するので18日のチケットを買う形になります。これで危うく宿無しになりかけた・・・。

 

乗った感想について。

快適な寝台列車ですが、3時~4時頃に出国審査・入国審査で二回手続きがあるためそんなに寝れませんでした。イェレヴァンから乗れば就寝時間は確保しやすいと思います。

 

旅情としては満点。深夜に出発するため暗い駅の構内でポツンと待っていたのですが、いろんな人と話したり助けてもらったりして、言うほど退屈しませんでした。

 

そして何より、0時過ぎに現れるソ連式の鉄道はまさにヒーロー。

 

ギュムリ駅。ここも内装含め美しい駅舎。

♪さらば南コーカサス鉄道

 

③,④トビリシ⇄ゴリの往復(ジョージア国鉄)

ダイヤが微妙だったので、とりあえず行きのチケットだけ購入。トビリシではチケットの購入時に整理番号が必要です。

 

ジョージア国鉄も同様にネット経由で購入できますが、こちらも若干高くなります。

Official Georgian Railway tickets online. Train schedule

 

ゴリ駅。こちらもソ連らしい古典的なデザイン。

 

・市内バス

イェレヴァン・トビリシでは多くの路線バスが走っています。イェレヴァンでは1ドラム硬貨を機械に入れ、トビリシではメトロの項で解説したメトロカードを使います。後述するマルシュルートカ乗り場までの移動や市中観光に活用しましょう。バスのルートはアルメニアはYandex、ジョージアGoogleマップで調べることができます。

 

・マルシュルートカ(乗り合いバス)

市販のミニバンを乗り合いバスとして運用する、旧ソヴィエトの観光ではよく登場する交通手段です。おそらく今回紹介する移動手段で最もありがたく、そして最も注意が必要

 

マルシュルートカを使う利点は

・結構早く着く

・乗れば着く

・激安

 

ですが、欠点として

・ルートやダイヤの下調べが難しく実地調査や自己判断が必要になりやすい

・悪路をブッ飛ばすので乗り心地が大体悪い

・現金対応必須(しかも価格がよくわからないことが多い)

 

であることが挙げられます。個人的には欠点含めて好きですが・・・。

 

マルシュルートカの利用の際はドライバーや乗客、近くにいる地元民へ確認・質問をしっかりしておくと良いです。

 

・タクシー

高いですが、最も楽です。バスのダイヤが無かったり乗り場がわかりにくくて面倒になった時に使えば良いと思います。注意点として、事前に相場と価格は確認しましょう。配車アプリもおすすめ。(アルメニアはYandex、ジョージアはBolt)

 

個人的に、ラーダドライバーのおじさまがコーカサス音楽を爆音でかけていると大変高評価。

 

・徒歩

歩くなんて面倒!と思われるかもしれませんが、街並みや大自然を楽しむなら自分の脚で歩くのも良いと思います。あと、お金がかからない。自分はどうしようもないぐらい足がボロボロになる程度には歩きました。

 

特にイェレヴァンは中心街はそんなに巨大じゃないので、行きたいところを巡るだけなら徒歩で事足りたりします。

 

歩けるなら歩こう

景色がより美しくなるから(ゴリ、ジョージア南オセチア方面の景色)

3 情勢

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、今回訪れた二国は情勢的にはかなり複雑な状況にあります。

 

ジョージアアブハジア・ツヒンヴァリ地域にそれぞれアブハジア共和国・南オセチア共和国という分離独立を訴える被実効支配地域があり、アルメニアはナゴルノカラバフのかつての実行支配地域アルツァフ共和国に関する一連の紛争をきっかけとして、現在進行形で隣国のアゼルバイジャンと度々軍事的な衝突を繰り返しています。また、アゼルのナヒチェヴァン自治共和国への回廊打開やアルメニア国内にごく一部存在するアゼルの飛び地を巡って再び大きな軍事衝突が起きるのではないかという懸念があります。

 

さらに、ロシアにおけるチェチェンをはじめとした北コーカサス地域における民族問題の影響も受けてきましたし、昨今のウクライナ戦争によって対露政策や国民感情も変化しています。

 

これらを主な原因として、ジョージアアルメニアには外務省が「渡航危険レベル」を設定しています。

 

具体的には次の画像の通り。順を追って軽く説明します。

 

アルメニア

 

基本的に、黄色のレベル1の地域は情勢に注意していれば普通に過ごす分には何ら問題ないと思われます。

 

しかし、レベル2の地域はレベル4のアゼルバイジャンと国境を接する自治体に指定されています。これらの地域は紛争発生時に大きな影響を受ける可能性があります。もちろん、レベル4の地域には行くべきではないでしょう。行くことも無いとは思いますが・・・。

 

私は今回の旅行で訪れたレベル2の地域は、セヴァン湖が位置するゲガルクニク州、鉄道で通過したアララト州とダヴシュ州となります。現に、セヴァン湖では対岸がアゼルバイジャンと非常に近い地域であることを理由としてか、対岸の見える半島の先端は軍人によって封鎖されており行くことができませんでした。

 

また、シュニク地方をはじめとしたアルメニア南部はザンゲズール回廊の打開作戦に伴う軍事衝突が発生する可能性が否定できず、今の渡航は特にオススメしません(他の地域もわざわざ行けとは中々言えませんが)。

 

なお万が一の際の脱出ルートですが、アルメニアはトルコ・アゼルバイジャンは陸路国境が通行不能、イランは出来るかは知りませんが南部地域でありどのみち厳しいため、空路かジョージアへの陸路かという二択になります。また、鉄道や一部の道路はアゼルバイジャンの国境近くを通るため要注意。


ジョージア

ジョージアは要注意のレベル1、ロシアとの国境近くのレベル2、実効支配地域のレベル3で構成されています。ただ、2008年の南オセチア紛争ではトビリシでもロシア軍の空爆が発生しましたし、ゴリやズグディディに関しては一時的に占領されています。今後紛争が再び勃発した場合、これらの街が再び危険に晒される可能性は否定できません。

 

なお、アブハジア・ツヒンヴァリ地域への渡航はやろうと思えばできるみたいですが、当然オススメしません。これらの地域(自称共和国)へロシアから渡航するとジョージアに不法入国したということで出禁にされるという話も。以下外務省の危険情報詳細のページより引用。

なお、ジョージア政府は2008年8月の紛争直後に、ロシアがツヒンヴァリ/南オセチアアブハジアの独立を一方的に承認したことから、ロシアとの外交関係を断絶しています。また、両地域に立ち入る際は政府の許可を経る必要があるとしており、ロシアからの両地域への立入りは違法とみなし、ジョージア国内法による処罰の対象としています。したがって、同地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

 

また、どちらの国でも政治集会には近づかないようにしてください。暴徒化したり治安部隊との衝突が発生する可能性もありますし、巻き込まれると何が起こるかわかったものではありません。現地人との政治の話もあんまりしない方が良いです。

 

これは関連事項なので触れますが、私がジョージアから帰国する前日の3/22の夜にロシア・モスクワのクロッカスシティホールで大規模なテロ事件が発生しました。ロシアがコーカサス少数民族に対する圧政を働いていること、過去の紛争で起きたことを鑑みると、全く無関係の地域ではなく少なからず恐怖を感じました。

 

今回、特にアルメニアに問題無く行けたのは時期的に運が良かっただけだと思っています。現に帰国後にイェレヴァン郊外で紛争が関係する事件が起きたり、また国境付近で衝突が起きています。また、ジョージアトビリシでも法案に関する大規模な抗議集会が発生しました。

 

ジョージアアルメニアは確かに旅行する上では確かに大変楽しかったですし見る価値はあると思いますが、このように紛争のリスクが少なからず存在しているため、渡航予定日の前後に拘わらず外務省の情報や関連するニュースを閲覧できるメディアのチェックをおすすめします。

 

4 治安など、滞在する上で注意した方が良い事

初の個人海外旅行だったこともありますが、良いことだけでなく悪いことも結構起きました。やっぱり無事に帰ってこれたのは運が良かったからだと思ってます。

個人的に注意すべきことについて、以下に紹介します。

 

4.1 ぼったくり

おそらく到着して最初の難関はぼったくりです。空港を出た瞬間にタクシードライバーが「TAXI!?!?!??!?!?!TAXI!?!?!?!?!」と粘着しまくります。こちらが粘るだけずっと話しかけてくるので、さっさと配車アプリ使いましょう。

 

自分が降りたズヴァルトノツ空港はシャトルバスもあるらしいですが、ないという話もありはっきりしません。というかバス停で待ってるだけで客引き喰らいまくると思いますし、結局アプリ経由でのタクシー利用が最適解になります。

 

また空港に限らず、観光地は結構しつこく声かけしてくるドライバーが居ます。英語でいきなりNPCみたいな一方的な会話を仕掛けてくるの、警戒しちゃうんだよなあ・・・。

 

先ほども書きましたが、誰が相手であろうが相場の把握と値段の確認(できれば交渉)が重要です。声かけしてくる人が全員観光客からぼったくってやるわと構えている訳ではないようで普通の価格を提示してくれる人も居ますが、確認は大事です。電卓やスマホで数字を見せてくれる人の方が尚良いと思います。

 

また、自分は飲食店についてはある程度調べたのでぼったくりなどにはほぼ遭いませんでしたが、トビリシの観光地周辺のレストランは割高らしいので要注意。それを鑑みて事前調査しておけば必要なお金も逆算できますし、おいしいとこも見つけやすいかと。

 

海外旅行あるあると聞く着ぐるみ撮影請求とか、記念撮影ぼったくりとか、ミサンガ巻いたから金よこせとか、そういうのには一度も遭遇しませんでした。賄賂請求も特に無し。

 

4.2 なんだかよくわからない怪しい人

アバウトですみません。

 

別に怪しい人は日本にも居るとは思いますが、決定的な違いはアジア人は目立つ、ということです。おそらくこれらの地域に行くといろんな人に好奇心から話しかけられるでしょうが、その中には残念ながら金でもとってやろうかという人が居るかもしれません。

 

自分は市内で会話の内容からして明らかに怪しい人に二回絡まれました。それ以外の自分が話した人と比べると言うこと成すことおかしかったですし、結局金の話し始めたりバーに行こうとか言いだしたんで・・・。

 

どちらも自分がどっか行きそうだったり信用してない雰囲気出すとしつこくパーソナルスペースに侵入しようとしたりとにかく激烈に粘着してきたので、自己判断で回避・逃走しました。しつこく腕組みしようとしたり小さな兄弟とか言いながら頭触ろうとすんのマジでやめろ。

 

基本所持金の話してきたら予防線張っておけばいいと思います。別に傷つけるようなこと言ってるわけでもないですしね。ホテルに置いてきたとか方便使いましょう。後、逃げれそうなら逃げればいいと思います。銃はともかく拳は近づかないと届かないですから。

 

仮にこちらの勘違いで本当に悪意が無かったとて、別に個人単位で会話が行違っただけだし別に良いかなと思ってます。

 

4.3 野良犬

最悪です。狂犬病の可能性もありますし、そうでなくても縄張り意識が強いとしつこく吠えて来ます。群れだと尚最悪。この旅行を通して一番嫌いになったものは間違いなく犬!

 

気を付けたことは以下の5点。

 

・見かけたら近づかない

・人の少ないところは野良犬のテリトリーである可能性を常に頭に入れておく

・木の棒や傘を持てるなら持つ

・交戦しない、間合いに入らない。背中を見せず相手を見ながらゆっくり離れて、テリトリーから離れるまで油断しない

・耳に着けられた狂犬病ワクチンタグを確認。無ければ特に警戒が必要

 

ただ、何度も吠えられましたが攻撃は一度もありませんでした。基本的に人慣れしてない個体が攻撃的な傾向にあるため、市内よりは人気の少ない公園、廃墟、山間部でガンガン吠えられる可能性が高いです。逆に、動きも刺々しくなくて攻撃の意思がなさそうな奴は大体公園等で人と仲良くやってる傾向にあります。

 

タグついてて食い物をおねだりするだけのかわいいやつもいる(食べかけですみません)

4.4 その他、犯罪

ひったくりやスリ、置き引きなど、海外旅行で多くの被害が報告されるような軽犯罪の対策は徹底しましょう。エストポーチや財布の分散などを活用して日頃から警戒を怠らないようにしておくべし。特にメトロやバスなどの閉鎖空間では周囲を警戒すること。トビリシメトロでは軽犯罪が結構報告されており、街中にも窃盗団も居るとの警告が外務省から何度か来ました。注意が功を奏したのか運が良かったのか、とりあえず今回は何も取られませんでした。

 

また、発生しているかは知りませんがカードスキミング対策で海外プリペイドカードをキャッシングに利用し、可能な限り現金で支払いました。

 

4.5 トコジラミ

今回宿泊したホテルにはいませんでした。家に持ち帰りでもしたら大変なことになりますしそもそも刺されるのも良くないので、トコジラミの痕跡の有無は念の為確認し、目隠しして明かりをつけたまま寝ることをおすすめします。

 

4.6 道路

二国に共通していますが、穴の開いた歩道や隙間だらけの橋、ほとんど舗装の剥がれた道路、幹線道路の脇、泥道、雪道、水溜り、犬の糞の間など、多種多様な道を歩かねばならないことが多いです。汚れても良い服、歩ける靴を身につけ道の状況に注意を払いましょう。

 

歩きスマホなんかした日には陥没やフタの無いマンホールに転落する恐れがあり車に撥ねられるかもしれませんので、命が惜しければ絶対にやめましょう。強盗含め危険です。地図アプリなどを見なければならない時や写真撮影時は立ち止まった方が良いです。

 

歩くことができるのなら問題ない(アルメニア・セヴァン近郊)

 

また都市部は歩行者に譲る車もそこそこ居ますが、交通マナーが良いとは言えません。横断歩道がある場合は信号に従っていればいいのですが、結構少ないですし、大体車の少ないタイミングを見計らって渡ることになります。横断の際はしっかり左右を見て、安全だと思うタイミングを確実に判断し、渡る意思表示を行いましょう。地元民の横断に合わせたりするのも一つの手。

 

たまに横断歩道が無くても地下道が整備されている交差点や道路もありますので、あまりに渡りづらい時は探してみてください。大体降りると暗いトンネルか、雑多な地下街です。

 

なお、この辺の地方都市はクラクションで車や歩行者に挨拶する文化があるようですので、自分かな?と思ったら会釈を返してみてください。

 

5 旅程の構築

ざっと行った街や旅程についてここで説明します。詳しいことは今後書いていく記事に載せられればと思います。

 

個人的に、次のようなスケジュール観で旅程を組みました。

4日ほどイェレヴァン周辺を観光

→3日でロリ・シラク地方を観光

→陸路でジョージアに渡り5日トビリシ周辺を観光

 

具体的に決行した日程については次の通り。

0日目:深夜1時過ぎにズヴァルトノツ空港から入国、3時にホテルへ行き就寝。

1日目:イェレヴァン市内散策

2日目:エチミアジンで教会巡り(元々イェレヴァン観光予定でしたが、1日で行きたいところへ行けたため急遽予定変更)

3日目:ガルニ・ゲガルドで教会へ

4日目:セヴァン湖観光(元々この日にロリ地方へ行く予定でしたが、しつこくセヴァンをオススメされたため変更)

5日目:早朝にギュムリへ鉄道で移動、市内を観光

6日目:ロリ地方、スピタクとヴァナゾールへ(元々ギュムリでゆっくりするつもりでしたが、セヴァンの関係で変更)

7日目:ギュムリを散策、深夜に国際列車へ乗りトビリシ

8日目:トビリシ到着、市内を散策

9日目:ムツヘタで教会巡り

10日目:ステパンツミンダで山登り

11日目:ゴリでスターリン博物館へ

12日目:トビリシ散策、夜にトビリシ国際空港から帰国便へ

 

このような流れでした。ジョージアはともかく、アルメニアは結構予定が変わりました。あんだけ入念に決めてたのにね・・・。概ね旅程としては初回のソロ旅行にしては上手くいったと思いますが、反省点も多かったです。今後また旧ソ連に行くときは今回の経験が活きそうです。

 

まとめ

というわけで、旅行する上で注意すべきポイントや見どころをまとめました。

 

海外旅行とはそんなもんなんでしょうが、大なり小なり変なことが起きる可能性はあると思います。あまりに危険なモノ・ヒトや犯罪には十分注意すべきですが、ちょっとしたトラブルはまあそういうもんだと思って楽しんでも良いと思います。

 

今回はここらで終わりますが、今後ゆっくり各日程か地域ごとの写真とか感想を投稿できれば良いなあと思ってます。